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デザインは「色・形・大きさ」の理論を駆使してイメージを作る作業、と言うこともできます。この3つの要素の中でも一番強力なのが「色」です。見栄えをよくするのになくてはならないものです。その反面、よく考えずに使うと悲劇を生む危うさも併せ持っています。

例え話です。

あなたはオーガニックな食材を活かしたレストランをオープンしました。そしてこんなロゴを作りました。

普通のロゴです。

ところがあなた阪神タイガースの大ファンなので、色にこだわりがある。そこでデザイナーに言って、こんなふうに変えてもらいました。

最初のロゴなら、オーガニックのレストランであることは、何も言わなくても伝わりました。ところがこの黒と黄色のロゴを使う限りずっと、あなたは自分の店がオーガニックなレストランだと説明し続けなければいけなくなりました。

色はメッセージを伝えてしまう

色の使い方でよくやってしまいがちなのが、見栄えをよくしたい、と言う理由で「一般的なイメージ」を無視していろんな色を使ってしまうことです。色が変わると、見る人はそこに必ずメッセージを感じます。

お友達が家に遊びに来ることになりました。そこであなたはマカロンを作ってもてなそうと思いました。

バニラのマカロンを作ろうと思ったんですが、見た目がなんとなく地味です。

そこで色をつけることにしました。味は全部同じなんですけど、食用の色素を使って色をつけました。

味はバニラ味しか準備できなかったんですけど、見た目は華やかになりました。大満足です。

さてお客さんがやってきました。

食事をして、ひと段落してからあなたはマカロンを振る舞いました。

イチゴが好きなAさんはピンクを手に取りました。チョコが好きなBさんは茶色を手に取りました。ピスタチオが好きなCさんはグリーンを手に取りました。みんなのリアクションは…もう分かりますよね。

あなたは色を付けるというひと手間を加えました。それなのに、相手の満足度は大きく下がりました。色をつけなかった方が満足度は高かった。

努力が無駄になった、じゃないんです。マイナスにするためにエネルギーを使ったんです。相手は間違った期待をしてしまった結果、詐欺にあった気分になりました。

教訓。

色のインパクトは想像以上に強力なので、色を使うときは、なんのために色を使うのか、よく考えてみてください。食べ物の恨みはホント、恐ろしいですから…。

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